2017年独立選抜書展横山蕙雨の作品です。
沸點(陶板)
独立選抜書展は一部作品(70㎝×35㎝以内)と二部作品(70㎝×35㎝以上)に分かれていますが、
両部門応募が望ましいとされていて、
両部門応募してもその片方が入選するかどちらも落選するかで、
会員といえどもその半数強が落選という狭き門の書展です。
今回私は一部は陶板作品の「沸點」を、
二部には全紙に濃墨の「沸點」で応募して、
陶板のほうの作品が入選しました。
「沸點」の文字は青銅器に鋳造された文字である金文です。
金文の素朴な強さと造形の面白さを陶で表現してみました。
実はここ10年以上陶芸を習ってきましたが、
陶器に効果的に文字を入れるのはなかなか難しいです。
呉須も鉄も赤絵も画宣に墨で書く以上の効果は全くでなくて、
試行錯誤の結果陶板に行きつきました。
「あなた、陶芸はやめたほうがいいわよ」
と友人の画家にいわれたことがあります。
「なぜですか?」とたずねたら、
「私も昔陶芸をやっていたからわかるけど、陶芸は楽しくて画をかく時間がなくなるのよ」
「陶芸は危険だわ、あなたは書に専念しなさい。」
という意味でした。
けれどご忠告に従わずにずるずる続けてきてしまいました。
でもまあ、今回選抜展で陶板作品が選ばれたので結果オーライかな?
今日選抜書展をじっくり見て、
学ぶところ大で、
私はまだまだだなあと反省もしましたので、
より一層書をがんばります。
ということで、陶芸も続けさせてください。